top of page

声劇台本『Quick×Quick』

脚本:石山瑞角
 

所要時間:30分
 

比率:♂3 ♀3

――――――――――――――――
【キャスト】

 

〇メイリア・シャトレーゼ(♀・18)
 戦闘組織「クレイモア」の新人。ガン・ウエポン「ウロボロスの牙」は機動力重視の双剣型。
 元気っ娘。新人ながら物怖じしない性格で、チームを明るくしてくれる。

 

〇カミーリア・エッツィオーニ(♂・28)
 ガン・ウエポン「ゴリアテの鎧」は装甲型。攻撃力・機動力は高くないが、防御に特化したガン・ウエポン。
 ノリが軽く、ナンパ癖のある男だが、戦士としての実力は確か。

 

〇ジース・ガンダール(♂・55)
 大刀使いの老人。ガン・ウエポン「オーガ・ヘッド」は大刀型。突破力は随一。
 組織「クレイモア」で前線を張る人間の中では最高齢。
   
〇フヨウ・モチヅキ(♀・23)
 本名「望月 芙蓉」。男装の令嬢。ガン・ウエポン「月下美人」は刀型。機動力に長けたガン・ウエポン。
 少々固い性格をしており、とある理由から男と称して生きている。

 

〇レディ・ケイナー(♀・30)
 本名ケイナー・フレンスブルク。組織「クレイモア」のオペレーターを務める。
 仕事の腕はピカイチだが、冷めた性格が玉に瑕。

 

〇ベルセルクの男(♂・見た目年齢30代)
 ベレット・タウンを占領しているベルセルク達を指揮する男。

 

―――――――――――――――――
【特殊用語】

 

・ベルセルク・ユマン
  通称ベルセルク。戦闘用に肉体改造を施された東側の人間。
  普段は人間と同じように考え、また生活できるが、戦闘に入ると理性が下り好戦的になる。

・ガン・ウエポン
  西側の人間が使う武器だが、まだ扱えるものは少ない。
  普段は銃の形をしているが、個人に適応した武器にフォームチェンジする。
  現段階では、機動型・突破型・防御型などの種類が存在する。

 

―――――――――――――――――
【世界観】

 

近未来。とある国では西側と東側に別れ、互いに国家統合を目指して領土を争っている。
西側は和平統合を目指しており、幾度となく東側に交渉を持ちかけているが、武力統合を目指す東側は聞く耳を持たず、
戦闘に特化したベルセルク・ユマンを送り込み西側の領土に侵略している。
西側はそれを防衛する形でガン・ウエポンという武器を用いて応戦している。

―――――――――――――――――
【役表】

 

(♀)メイリア
(♂)カミーリア
(♂)ジース
(♀)フヨウ + 母(3セリフ)
(♀)レディ
(♂)ベルセルク + 敵(3セリフ)

 

―――――――――――――――――
【location1:メイリア家】


   (時刻は午前7時。シャトレーゼ家の一人娘、メイリアの部屋にて。目覚まし時計がけたたましく鳴り響く)


母:メイリア! メイリアー!


メイリア:ぬぁぁ、煩いなぁ……。ちゃんと目覚ましセットしてるから起こさないでよぉ……。


母:メイリア! あんたいつまで寝てるの! もう7時よ!?


メイリア:分かってるぅ。分かってますよぉ……。……って、え? 7時?


母:あんた、お仕事の時間に間に合うの!?


メイリア:……えーと、集合時間は7時半だから……。
     準備する時間も考えると……。……おんやぁ?

 

 

 

――――――――――――――――――
【location2:オペレーションルーム。――薄暗い空間に多くの通信機やモニターが立ち並んでいる。
       レディ・ケイナーはモニターを睨みながら忙しなくキーボードを叩いている。】


   (レディの電話が鳴る)


レディ:こちらケイナー。はい、はい。……なんですって!?
    ……えぇ、分かったわ。直ちに彼らを向かわせるわ。大丈夫、腕利きの者たちを寄越すから心配しないで頂戴。
    こちらにも可能な限り情報を貰えるかしら。えぇ、待ってるわ。(レディ、電話を切る)
    ……これはまずいわね。――ベルセルク共め。


   (オペレーションルームの扉が開く。一番最初に現れたのはカミーリア)      


カミーリア:やっほー、ケイナーちゃーん。ありゃ、俺が一番乗り? それとも呼び出されたのは俺だけ?
      もしかしてデートのお誘いかい?


レディ:早いのねカミーリア。安心しなさい、あなた以外に後3人来るわ。


カミーリア:ちぇっ、なんだ違うのか。あ、それじゃあ今度デートしようよ。美味しいお店を紹介するよ。


レディ:場を弁えなさい、カミーリア・エッツィオーニ。


カミーリア:つれないねぇ。


   (再びオペレーションルームの扉が開く。現れたのはジースとフヨウ)


フヨウ:またナンパか……。全く、いつになったらその癖は治るんだ。


ジース:あれに何を言っても無駄だ、フヨウ。


カミーリア:げ、フヨウの坊主と耄碌ジジイ。


ジース:……はぁ。今回の任務は騒がしくなりそうだな。
    おい、レディ。人数が揃ったぞ。今回の任務は?


レディ:待ってジース。後もう一人来るわ。


ジース:なんだ、まだいるのか。


レディ:後1分で予定集合時刻なのだけれど……おかしいわね。


メイリア:ひゃぁあああああ! 遅れてすみませんんんん!!!!


   (間・3秒)


レディ:……メイリア・シャトレーゼ。


メイリア:は、はいぃ!(敬礼)


レディ:集合時刻最低5分前には到着するように。


メイリア:す、すみません……。


カミーリア:まあまあ、こんな可愛い女の子を叱るなんて可哀想だろーケイナーちゃん。
      俺の顔に免じて許してよ。


ジース:それはそうと、この娘がそうなのか?


レディ:……えぇ。この子は今年から我々「クレイモア」の一員となった新人よ。


メイリア:め、メイリア・シャトレーゼです! よろしくお願いしますっ!(声が裏返る)


カミーリア:……ふむ。


メイリア:な……なんですか。


カミーリア:年齢は?


メイリア:じゅ、18歳です。


カミーリア:おぉ、若いねぇ。ちなみに恋人はい――おぶっ!?


  (フヨウの肘打ちがカミーリアの脇腹にヒットする)


フヨウ:この男の事は無視していい。自己紹介がまだだったな。私はフヨウ。モチヅキ・フヨウだ。


ジース:ジース・ガンダールだ。分からん事があれば聞け。適当に動かれると困るからな。


メイリア:は、はい!


カミーリア:痛てて……。なにも殴る事ないだろぉ……。あ、俺はカミーリア・エッツィオーニ。
      気軽にお兄ちゃんって呼んでね。――うぐっ!(再びフヨウに殴られる)


フヨウ:……懲りないみたいだな。


ジース:それで用件を聞こうか、レディ。


レディ:えぇ。単刀直入に言うわ。ここから東にある街、「ベレット・タウン」がベルセルクによって占領されたわ。


カミーリア:またかよ~、今月何回目? 奴らも飽きないねぇ。


レディ:ベレット・タウンに巣食うベルセルクの討伐、およびタウンの解放。
    これが今回貴方達にお願いしたい依頼の内容よ。


フヨウ:大変な任務になりそうだな……。


レディ:こちらも情報が入り次第、逐一貴方達に情報を送って支援するわ。


カミーリア:りょうか~い。愛しのケイナーちゃんからの頼み事ならなんだって聞き届けちゃうよ。


レディ:ならそのまま口を閉じていなさい。


カミーリア:オーケイ、お口チャックだ! むぐ。


レディ:現段階での情報としては、サウス・ベレットにいるベルセルクの数は少なく、手薄となってるわ。
    侵入するなら南を狙うのがベターね。


フヨウ:レディ、ベルセルク側に指揮を執っている者はいるのか。


レディ:捜査ヘリの情報によると中央にある大型ショッピングモールを中心にベルセルクが密集しているわ。
    あくまで推測だけど、そこにリーダー格の者がいる可能性が高いわね。


メイリア:どちらにせよ、ベルセルクを追い出すのが任務なんだから、そいつもまとめて倒しちゃおう!


フヨウ:そうだな。ここは私たちが住む場所だ。ベルセルクの奴らに奪われてたまるものか。


カミーリア:坊主の言う通り! ここは俺たちがカッコよく決めてやろうぜ!


レディ:カミーリア……口を閉じてなさいと言ったはずだけど?


カミーリア:少しくらいいいじゃないか、ケイナーちゃーん。


ジース:浮かれるのはいいが、しっかり戦闘の準備を怠るなよ。
    防具は勿論、弾薬・応急薬は切らすのは以ての外だからな。


メイリア:これがあたしの初任務となるのね。くぅうう! 頑張らなくっちゃ! よろしくね皆!


ジース:また煩いのが増えたな。


メイリア:なあに? おじーちゃん。


ジース:じ……。


カミーリア:それより「また」って、誰の事を言ってるのかなぁ?


フヨウ:はぁ……見れば分かるだろう。


レディ:……頼んだわよ。「クレイモア」たち。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――
【location3:サウス・ベレット。――家は所々ベルセルクによって破壊され、逃げ遅れた住民が街の隅っこで事切れている。
       メイリアたちは、ベレット・タウンの入り口で徘徊するべルセルクの様子を見ている。】


メイリア:うっひゃー、なんて数。どこかでお祭りでもあるのかしら?


カミーリア:本当にお祭りだったら、おにーさん、メイリアちゃんと巡りたいなぁ。


メイリア:はいはい。今度ねー。


フヨウ:メイリアはもうカミーリアの扱いになれてきたな。


メイリア:まあ、道中であんなに口説かれたらね。


フヨウ:それは災難だったな。後で説教しておこう。……ところで皆、作戦はどうするつもりだ?


ジース:決まっている。真正面から突っ込む。


カミーリア:マジかよジースのジジイ。俺危ないのは嫌だぜー。


ジース:人質がいるかもしれんのだ。ならば抜け道をちまちま探す時間はないだろう。
    それに何のためのガン・ウエポンだ。


カミーリア:何の為って……そりゃあ。


ジース:俺のガン・ウエポンは突破力が売りだ。ベルセルクが何人束になってこようが切り伏せる自信はある。
    いざとなればカミーリア、お前のサポートもあるしな。(カミーリアの肩を叩く)


カミーリア:……ちぇ。


フヨウ:ジース殿、私たちは銃でサポートに回ります。


ジース:頼むぞフヨウ。


メイリア:流石じーちゃん、頼りになる~!


ジース:褒めても何も出んからな。


カミーリア:はぁ、やれやれ。まぁ、そうと決まれば、早速行動に移ろうぜ。


敵:おい! 西側の奴らだ! 集まれ! 皆殺しにしろ!


   (ベルセルクたちはメイリアたちの存在を認識すると、警笛らしきものを吹き、仲間を呼びよせる。)


フヨウ:やはり仲間を呼んだか……。それではジース殿、お願いします。


ジース:こんなもの俺に掛かれば容易いもんだ。おい、レディ!


   (レディの通信が入る。レディ、キーボードを打ちながら。)


レディ:OK。……ジース・ガンダール、コード番号0602(ゼロロクゼロニ)、
    特攻型ガン・ウエポンG/J(ジー・ジェー)、コネクト!!!
    ジース! ガン・ウエポンの解放を許可したわ! 派手にやりなさい!


ジース:無論そのつもりだ。……ここは俺が先陣を切る。お前らは俺の後に着いてこい。
    さて……行くぞ! ガン・ウエポン、セット「オーガ・ヘッド」!!!
    一人残らず切り伏せてくれる! てぁあああああああ!!!


   (ジースの銃が巨大な剣へと変化し、襲い掛かるベルセルクたちを薙ぎ払っていく。
    その後に続いてフヨウ、カミーリア、メイリアが銃でフォローしていく)


フヨウ:私たちも行くぞ! ジース殿に続け!!!


メイリア:あったりまえじゃん! いっくよー!!!


カミーリア:遅れて敵にやられるんじゃねぇぞ! たぁああああ!!!


   (間・5秒)


ジース:ふん、ざっとこんなもんか。他愛の無い。


メイリア:老いても元気ねぇ。


ジース:まだ55だ。年寄り扱いをするな。この歳でもお前らに負けるつもりはないからな。


フヨウ:流石です、ジース殿。私も負けてはいられないな……。


カミーリア:早く引退しろよージジイ。


ジース:聞こえてるぞ、カミーリア。


カミーリア:さささささーて、次行こうぜー!


フヨウ:これからは私とメイリアが先行しよう。機動力が高い私のガン・ウエポンであれば、
    奇襲にも対応できると思う。メイリアもそれでいいな?


メイリア:はいはーい。


ジース:ならば任せた。今度は俺が銃で援護するとしよう。「オーガ・ヘッド」解除!


   (ジースが持っていた大刀は銃の姿に戻る)

   (間・5秒)
     

フヨウ:……おかしい。先ほどまでベルセルクたちが掃いて捨てる程いたのに、急に姿を見せなくなった。


メイリア:さっきので全兵力を費やしたんじゃないの?


フヨウ:そうだといいんだが……。


   (間・3秒)


レディ:待って。


メイリア:おわっとっと! どうしたのよ、レディ。


レディ:近くにベルセルクの反応があるわ。警戒を怠らないで。


ジース:やはり潜んでいたか。


カミーリア:さっすがケイナーちゃん、頼りになるぅ~。今度デートしようよ。


レディ:任務に集中しなさい。


カミーリア:冷たいなぁ。


   (物陰から襲い掛かってくるベルセルク)


レディ:っ!? ベルセルクが近づいている……!? フヨウ、あなたの近くだわ! 気を付けて!!!


敵:今だ! 死ねぇええええええええ!!!!(フヨウに襲い掛かるベルセルク)


フヨウ:なっ――


カミーリア:ケイナー!


レディ:くっ……! コード番号9801、装甲型ガン・ウエポンE/K、コネクト!
    間に合って……カミーリア!!!


カミーリア:よっしゃ、待ってました! ガン・ウエポン「ゴリアテの鎧」! セットアップ!
      うぉおおおらぁあああああああ!!!


   (鎧型のガン・ウエポン「ゴリアテの鎧」を装着したカミーリアは単身でベルセルクの集団に突っ込む)


敵:な、なんだコイツは! 攻撃が通らない!?


カミーリア:どうしたどうした!? そんな攻撃じゃぁ、痛くも痒くもないぜ!!!


フヨウ:凄い……。ベルセルクたちの攻撃を受けてもビクともしないなんて……。


カミーリア:へへっ、この「ゴリアテの鎧」に傷なんてそうそう付けられやしねぇ。
      だけど攻撃向きじゃないんだよなぁ……。と言う訳で皆、後はよろしく!!!


メイリア:それじゃあここはあたしが! レディ!
    

レディ:……分かったわ。貴女の初仕事、見せてもらおうかしら。
    メイリア・シャトレーゼ、コード番号2291、機動型ガン・ウエポンC/M、コネクト!!!


メイリア:セットアップ、ガン・ウエポン。「ウロボロスの牙」!!! てやぁああああああああ!!!!


   (メイリアの銃は双剣へと変化し、次々とベルセルクを斬り捨てる)


ジース:若い奴らばかりに手柄を取らせるのは癪だな。俺も負けてられん。ここは銃で援護させてもらうぞ。


フヨウ:くっ、私も守られてばかりでは……。せめて銃で援護を!(射撃)


   (間・5秒。ベルセルクたちを一掃)


メイリア:へへん、一丁上がりだね!


カミーリア:ひゅー、皆やるねぇ!(拍手しながら)


フヨウ:メイリアのガン・ウエポンは双剣型だったか……。実力も申し分も無い。
    この「クレイモア」に配属されるだけはあるな。


メイリア:へへん! ブイ!


ジース:お前もいいフォローだったな、カミーリア。流石高い防御力を誇るガン・ウエポン「ゴリアテの鎧」と言ったところか。
    そしてフヨウ、怪我は無かったか。


フヨウ:……すみません。あと、カミーリア……助かった。


カミーリア:いいよいいよ。でも、男は誰かを守ってこそだろ、フヨウ。
      君も好きな女の子を守るために強くならなきゃね。


フヨウ:……。あぁ、そうだな。


ジース:気を付けろ。奇襲がバレたのかゾロゾロと姿を現しだしたぞ。


メイリア:なら、このまま突破するしかないみたいね。


ジース:あぁ、目指すはこの先にある巨大ショッピングモール。多少苦しい戦いになるが少しの辛抱だ。

 

 

 

 

―――――――――――――――
【location:大型ショッピングモール「バーニス」。当然本来のショッピングモールとしては機能しておらず、
      散乱した商品はベルセルクたちによって、ぐしゃぐしゃに踏みつぶされている】


   (襲い掛かるベルセルクを倒しながら、「クレイモア」のメンバーはショッピングモールの屋上にたどり着く。
    そこには一人のベルセルクが立っている)


ベルセルク:まさか、たった四人でここまで来るとはな……。その実力は大したモノだが……
      勇敢と蛮勇じゃぁ、全然違うぞ?


メイリア:あなたが黒幕ね!


ジース:目的はなんだ。


ベルセルク:わざわざこちらの不利になる事を言うとでも思うか?


ジース:ふっ、確かにな……。ならば!


ベルセルク:力ずくで、と言う事か。貴様らが持つガン・ウエポンは扱える者が少なく、体力の消耗も激しいと聞く。
      そんな貴様らが我らベルセルクに敵うはずもない! 来い、我が同胞よ!!!(集まってくるベルセルク)


カミーリア:くっそ、やっぱり数で攻めてくるかぁ……。こりゃ本気を出さねえとなぁ……。


ベルセルク:ぬははははははは! この場では助けなど届かないだろう!
      ここが貴様らの墓場となるのだ!!!


レディ:フヨウ・モチヅキ、コード番号8146、機動型ガン・ウエポンH/M、コネクト!!!
    フヨウ! ガン・ウエポンを解放したわ! あなたの力を見せてあげなさい!


フヨウ:あぁ、助かる! ガン・ウエポン「月下美人」セット!(フヨウの銃は刀に変形する)


ベルセルク:たかがガン・ウエポン使いが一人増えた所で何も変わらん!


フヨウ:ふふ、果たしてそうだろうか。


ベルセルク:なに!?


   (流れるようにベルセルクを切り裂いていく)


フヨウ:私のガン・ウエポン「月下美人」は機動力に長けている。貴様らベルセルクの動きなど止まって見える!
    はぁああああああ!!!


メイリア:ふわぁあ、凄い! 同じ機動型なのにこんなにも違うなんて! あたしだってやってやるんだから!!!


ジース:カミーリア! お前はフヨウの援護をしろ! 俺はメイリアと共にこやつを倒す。


カミーリア:仕方ないなぁ……。フヨウ、敵さんの攻撃は俺が全部引き受ける。お前は攻撃に専念しろ。


フヨウ:あぁ、任せた!


ベルセルク:ぐぬぬぬぬ、これだけの人数がいて、たった四人を倒せないというのか。


メイリア:降参するなら今の内よ。


ベルセルク:貴様ら西側に投降するぐらいなら、死を選んだ方がましと言うもの!
      その余裕、直ぐに後悔させてやるぞ! うぉおおおおおおおおお!!!!(ベルセルク化)
      ゼンブ……ゼンブ食ライ尽クシテヤルゾオオオオオ!!!


ジース:来るぞ!


メイリア:「ウロボロスの牙」!


ベルセルク:シャァアアアアアア!!!(重い一撃が地面を砕く。メイリア、ぎりぎりで躱す)


メイリア:くっ!!! ひぇぇ、危ない!


ジース:他の奴らより手強いな。セット、「オーガ・ヘッド」! 叩き潰してくれるッ!


ベルセルク:遅イ! 遅イゾオオオオオオオ!


   (重い一撃がジースを襲う。ジースは大刀で防ぐ)


ジース:ぐぬぅ!!!


ベルセルク:死ネェエエエエエ!!!!


   (ジースの大刀を捌き、鋭い爪で攻撃を加える)


ジース:しまった! ぐぅ!? 


メイリア:おじーちゃん!


ジース:くぅ、肩を掠めたか……。


ベルセルク:次ハ、首ダァ……グフフフウ!!!


メイリア:……おじーちゃん、まだ剣振れる?


ジース:当たり前だ。これしきの傷でやられる俺ではない!


メイリア:そっか。それならあたしに良い考えがあるんだけど……。


ジース:む?


ベルセルク:何ヲゴチャゴチャ言ッテイルゥウウ!!!


ジース:――ふん、なるほどな。


メイリア:お願い、おじーちゃん。


ジース:任せろ。はぁああああああああ!!!


  (ジース、「オーガ・ヘッド」を大きく振りかぶり、ベルセルクに向かって振り下ろす)


ベルセルク:ダカラ当タラナイト言ッテイルダロウ!!!


ジース:まだだぁああああああああ!!!


ベルセルク:……ドウイウツモリダ? っ!!? 土煙ガ……!?
      クソッ! 小賢シイ! 何処ニ隠レオッタ!!?


メイリア:ここだよ! てやぁあああ!!!


ベルセルク:グァアアアア!!? 土煙ニ紛レテ……。クソックソックソォオオオ!
      マダダ! マダ――


ジース:いや、貴様はここで終わりだ!!! 失せろッ!(大刀で切り伏せる)


ベルセルク:グァアアアアアアアアア!!!(消滅)


   (間・5秒)


メイリア:終わった……の?


ジース:あぁ。お前の作戦のおかげでな。


カミーリア:お、そっちも終わった感じ?


メイリア:カミーリア! フヨウ!


フヨウ:まさかあの数を相手するとは……体が痛くてたまらない。
    カミーリアのサポートがなれければ今頃は……。


メイリア:そう言えば、結局情報は手に入らなかったわね。


ジース:仕方あるまい。どの道相手は口を割るつもりがなかっただろう。
    今回の任務は東側の動向を探るのではなく、ベレット・タウンを奪還することだ。


カミーリア:ジースの言う通りだと思うよ~。ベルセルクもこの男が指揮してたみたいだし、
      後の残党狩りは向こうが寄越してくれるでしょ。
      ベレット・タウンの奪還任務、無事終了ってね。ケイナーちゃーん、終わったよー!


   (レディからの通信が入る)


レディ:言われなくても聞こえてるわ。お疲れ様「クレイモア」
    さっき貴方達も言った通り、後は他の者たちを派遣して残党狩りに向かわせるわ。
    貴方達は帰還して、報告後、体を休めてちょうだい。


カミーリア:りょうか~い。


レディ:メイリア、初任務お疲れ様。貴女の活躍見ていたわ。


メイリア:あ、ありがとうございます!


レディ:今度からはしっかり到着時間を守りなさいね。
    それじゃ、無事帰還するのを待っているわ。


メイリア:うぐ……気を付けます。


カミーリア:相変わらず厳しいねぇ。
      さ、俺たちも帰ろう。帰ってメイリアちゃんの歓迎パーティをしないと。


フヨウ:ふふ、そうだな。


メイリア:ありがとう皆! それと、これからよろしくね!


カミーリア:そうだ! 折角だからメイリアちゃんが締めてよ。ほら、カッコよく。


メイリア:え!? あたしが!? え、えーと……。
     (深呼吸)ベレット・タウンの解放任務、完了しました。
     これより我ら「クレイモア」、帰還します!

 

END

bottom of page