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『Links』 ―第8話 あの頃から今まで―

 

【登場人物】

 

○リィ・ティアス(♀)
 ジェナ・リースト共和国に住む17歳の女の子。両親は幼い頃にラインに殺され、その後兄のセイルは失踪。
 それ以降悲しみに暮れながらもなんとか立ち直ることができた強い心を持つ。両親の遺産で今も一人で暮らしている。
 性格はしっかりしており、学園内でも優秀な生徒として評価されているが、少し口が悪い。

 

○レイジス・アルヴィエル(♂)
 リィと同じく同国に住む17歳の青年。明るく元気な男。リィとは学園で知り合った仲。
 よく一緒にいるためにリィとその友人アリスに振り回される苦労人。ひょんなことでリィと共に旅に出ることになる。

 

〇アリス・ポルテ(♀)
 学園の生徒。基本的にリィとつるんでいる。言葉遣いは丁寧だが、腹に一物抱えているタイプ。
 その正体は水を司る精霊と伝えられるライン『ウンディーネ』。人の姿に変わり、人の世に溶け込んでいた。

 

〇セイル・ティアス(♂)
 ラインを倒すことを目的とする組織「壊れた時計」、12時の男。見た目は20代前半。
 そしてリィの兄でもある。彼女を巻き込まないために黙って失踪し、「壊れた時計」に所属して両親暗殺の真相を探る。

 

〇父(♂)
 本名リヴァン・ティアス。研究者。
 口数は少なく、クールな性格だが、家族を想う気持ちは人一倍。
 研究者として高い地位にいるため、忙しく、あまり家族に構ってやれないことを気にかけている。
 ツンデレ要素しっかり娘に受け継がれている。

 

〇母(♀)
 本名エルナ・ティアス。
 おっとり、ほんわか。そして童顔ママ。
 家事をしながら、時より夫リヴァンの研究を手伝ったりする。
 二児の母の割に色々若い。

 

――――――――――――――――

【用語】

ライン:つまるところ怪物。モンスター。おとぎ話、伝説と呼ばれた生物のことを指す。
    現在、そのラインが世界各国に出没し、人間に害を与えている。
    イントネーションはフルーツの「パイン」と同じ。

 

魔鉱石:特殊なエネルギーを含んだ鉱物。この世界では照明器具の光や暖房器具の熱などを作るために、この石を埋め込み、
    その力を媒介としている。
    また、魔鉱石の純度によっては強大な力を含んでいるが、扱うには体にとてつもなく負荷がかかる。

 

――――――――――――――――
【役配分】

 

(♀)リィ + 少女
(♂)レイジス
(♀)アリス
(♂)セイル
(♂)父
(♀)母

計 ♂3 ♀3

 

―――――――――――――――――

≪シーン1 失った日常≫

 

   ≪場面説明:ゴアス南部の宿にて。中々寝つけず、少しの睡眠しか取れなかったリィは、

         寝返りを打ちながら、寝ようと努力する。≫

 

 

リィ:……く、うぅ……。(溜息)なーんか、眠つけない。なんでだろ……。
   少しだけ寝れたけど、全然疲れが取れない……。しかもあんな夢を見るし……。
   ……なんで、あの頃の夢を今更。……でも、懐かしかったな。

 


   ≪間。以下、回想。まだ両親が生きている頃のティアス家の日常。
    時刻は朝、ティアス家の食卓には色とりどりの朝食が四人分並べられている。(SE:鳥の鳴き声+食器)≫

 


セイル:父さん、母さん、おはよう。


 

父:おはよう。

 


母:おはよう、セイル君。

 


セイル:リィは?

 


母:寝てるわ。今日は学校、昼からなんだって。……セイル君も学校通ったらよかったのにね。

 


セイル:俺は別にいいよ。俺は父さんのところで研究の手伝いをしてる方が性に合ってるし。
    勉強も独学だけどやってはいるし、大丈夫だよ。

 


母:それならいいけど……。お友達とか欲しくならない?

 


セイル:母さん、心配しなくても友達くらいはいるよ。

 


父:セイル、いくら知識や技術を得ても死んでしまったら意味がないからな。
  最近は物騒だ。護身術も怠るんじゃないぞ?

 


セイル:うん、分かってる。それで父さん、今日はどうするの?

 


父:俺は午前中、帝国で行われる会議に出席しなければならない。その後はいつも通りサンプル採取だ。
  セイルには先にサンプル採取をしてほしい。

 


セイル:分かった。それじゃあ、行ってくるよ、母さん。

 


母:いってらっしゃい、あなた、セイル君。

 


     ≪間・二人が出て行った後、二階からリィが下りてくる。≫

 


リィ:ふぁぁ……。おはよー。

 


母:あら、おはよう、リィちゃん。


 

リィ:おはよー、ママ。あれ? 二人共もう出かけたの?

 


母:ちょうど今さっきね。さ、リィちゃんも朝ごはん食べちゃいなさいな。

 


リィM:ママの美味しい料理を食べて、学校に向かう。そして帰ってくれば皆が帰りを待っている。
    何の変哲もない、ごくごくありふれた家庭。でも、普通だからこそ、あたしは幸せだった。

 


     ≪間。別の日≫

 


父:ふぁ、おはよう。

 


母:おはよう、お寝坊さん。

 


父:体を休めるのも休暇の使い方だよ。


 

母:ふふ、そうね。

 


父:……セイルとリィはいないのか。折角の休みだから、皆でどこか行きたかったんだけどな。

 


母:リィちゃんはお友達と遊びに行ってるし、セイル君は調べものがあるみたいで一人でどこかへ出かけちゃったのよね。

 


父:しょうがないな。そうだ、久しぶりに二人で出かけるか?


 

母:あら、デートのお誘い? 何年ぶりかしら。

 


父:子供たちが生まれる前になるな。


 

母:そんなに前になるのね。それじゃあ早速準備しなきゃね。
  その前にしっかりと朝ごはん食べないと。せっかく頑張って作ったんだから。

 


父:あぁ。……さて、どこ行こうかな。

 


母:あ、もしかしてちょっと楽しみにしてくれてる?

 


父:む……。


 

     ≪突如、家がノックされる(SE:ノック)≫

 


父:ん? 客か? まさか研究所の人じゃないだろうな。


 

母:あーずるい逃げ方。それにしても誰かしら? ――あら? リィちゃんとセイル君? おかえりなさい。

 


リィ:た、ただいま。

 


父:なんだ、友達と遊んでたんじゃないのか?

 


リィ:う、うん。えーと……。

 


セイル:別に隠さなくてもいいんじゃないか? リィ。

 


母:隠す?


 

リィ:あー! セイルの馬鹿! なんで言うのよ! 隠しておきたかったのに!

 


セイル:そのやり取りを何年するつもりだよ。


 

母:あらー、何かしら。

 


セイル:まぁ、毎年忘れる父さんと母さんもあれだけど……。ほら、リィ。

 


リィ:今日さ、二人の結婚記念日でしょ? だから、セイルと打ち合わせして、プレゼント買ってきたの。


 

母:あら嬉しい、ありがとうね、リィちゃん、セイル君。ほら、よしよし。

 


リィ:や、ちょっと、恥ずかしい……えへへ。


 

セイル:リィはともかく、俺は撫でられる歳じゃないって。


 

リィ:ちょ、ちょっとどういうことよ! セイルだって照れてんじゃないの!


 

セイル:て、照れてない。

 


父:二人とも、ありがとうな。そうだ、お前たち。よかったらこれから家族皆で出かけないか?

 


リィ:うん! 家族皆で出かけるなんて久しぶり!

 


セイル:父さん、いつも忙しいからな。

 


父:あぁ。だから今日は今まであまり構ってやれなかった分を、な。

 


リィM:家族皆が仲良く、毎日笑って過ごしていた。
    この生活がずっと続く。何の疑いもなく思っていた。
    でも……その幸せの終わりは、呆気なく訪れた。


 

     ≪間≫


 

リィM:べっとりと血で染まった壁、粉々に割れた食器。
    そして……血だまりの中で倒れているパパとママ。
    余りにも残酷で、余りにも突然な別れだった。
    それ以来、あたしたちの家からは笑顔が無くなった……。

 

 

 

――――――――――――――――――
≪シーン2:あたしとあいつのはじめまして≫

 


  ≪場面説明:リィの両親が死んでから半年。リィたちが住む国ジェナ・リースト共和国のとある学園にて、
        新たな転校生レイジスが生徒の目の前で挨拶をする。≫

 


レイジス:どうも、はじめまして! 今日からこの学園に入学することになったレイジス・アルヴィエルでっす!
     えーと……何言えばいいのかな。んーっと……取りあえずよろしく!


 

リィM:パパとママがラインに襲われてから半年が経ち、あたしが通っている学園に一人の男が転入してきた。


 

レイジス:ども!


 

リィ:……誰、あんた。

 


レイジス:あれ? 先生の話、聞いてなかった? 君の隣の席になったレイジスだよ。よろしく、えぇっと――

 


リィ:……リィ・ティアスよ。(不機嫌そうに)

 


レイジス:よ、よろしく……。

 


アリス:あぁ! ご、ごめんなさいレイジス君。この子、ちょっと色々あって……。その、悪気はないんです。

 


レイジス:そ、そっか。……君は?

 


アリス:私はアリス。アリス・ポルテと言います。リィちゃんの友達で、あなたのクラスメイトですよ。

 


レイジス:よろしく、アリス。

 


リィM:その頃のあたしは、パパとママがラインに殺されたことからまだ立ち直れずにいた。
    ショックのあまり、どうしても人と話す気にはなれなかった。
    本当は学校すら行きたくなかった。でも……悲劇が起きたあの家に閉じこもっていた方が、遥かに地獄だったから……。


 

レイジス:なー。

 


リィ:……。

 


レイジス:なー、リィー。なーってばー。

 


リィM:前の席にも、後ろの席にも人がいるのに、レイジスは何故かあたしにばかり話しかけてきた。
    無視をしても性懲りもなく、毎日、毎日。


 

レイジス:もしかしたら寝てる? なー。――おぐぅっ!?(SE:腹パン)


 

リィ:うっるさいわね! なんなのよあんた! 無視しても無視しても話しかけてきて!


 

レイジス:いててて……。なんだ、元気な声出るじゃんか。   


 

リィ:……はぁ、あんたねぇ、これが元気に見える?


 

レイジス:でも黙ってるよりはいいんじゃないかな? ほら、大声出したらスカッとしない?


 

リィ:……何それ、ばっかじゃないの?


 

レイジス:あっちゃー、怒らせちゃったかぁ……。


 

リィ:……最初から怒ってたんだけど?


 

アリス:まあまあ、リィちゃん。落ち着いてください。
    レイジス君も、あんまりリィちゃんをからかわないであげてください。


 

レイジス:うーん……。からかってるつもりじゃないんだけどなぁ。


 

アリス:うぅむ。……レイジス君、ちょっといいですか?
    リィちゃん、私たち、ちょっと飲み物でも買ってきますね。

 


     ≪間。アリスとレイジスは購買に向かいながら話している。≫

 


レイジス:……急に連れ出したりなんかして、どうしたのさ。


 

アリス:少し、レイジス君に知ってほしいことがありまして。


 

レイジス:……なに?


 

アリス:リィちゃんはですね、ちょっと前にご両親を亡くされてるんです。
    ラインに襲われて……、ご両親が亡くなるところを目の前で見てトラウマになってしまってるんです。

 


レイジス:……そっか。だからずっと元気がないんだ。

 


アリス:……はい。だからあまりあの子を刺激しないであげてください。

 


レイジス:んー。それだったら、尚更だな。話してくれてありがとな、アリス。

 


アリス:え? あ、ちょっと! レイジス君!?


 

     ≪間≫


 

レイジス:たっだいまー!

 


リィ:……。


 

レイジス:ほら、リィの分も飲み物買ってきたから飲みなよ。


 

リィ:……どうせ、アリスが何か言ったんでしょ。全く、余計なことを。

 


レイジス:んー、確かに色々聞いたけど。

 


リィ:それで何? 同情してるつもり?

 


レイジス:うーん、確かに可哀想だと思ったけどさ。そんなの関係なしに俺はリィと話したいんだけど、駄目かな?

 


リィ:……友達作るなら他の子とでも仲良くしなさいよ。


 

レイジス:だから俺はリィと友達になりたいんだって。

 


リィ:アリスから事情聞いたんでしょ? なら、あたしのことなんか放っておいてよ!

 


レイジス:……分かった。取りあえず飲み物ここに置いとくから。気が向いたら飲んでよ。それじゃ――

 


     ≪間≫


 

リィM:あれだけ強く言えば関わってこないと思っていた。それでも彼は――


 

     ≪間≫


 

レイジス:おっはよーリィ!

 


     ≪間≫


 

レイジス:なー、この問題教えてくれよー。


 

     ≪間≫


 

レイジス:なぁなぁ! これ面白いから見てよリィ!


 

リィM:あの日、あたしがレイジスに怒りの感情をぶつけたことを、まるで無かったかのように彼は普段通り接してきた。
    今考えると、よくもまあ、心が折れなかったものだと感心してしまう。

 


レイジス:リィー! 一緒にご飯食べよー!

 


リィ:……なんであんたなんかと。

 


レイジス:まぁ、どうせ隣の席だからあんまり変わらないけどな。


 

リィ:ねぇ、なんで提案したの? ……全く、しょうがないわね。


 

レイジス:お、いいんだ?


 

リィ:そうでもしないと煩くてかなわないからね。


 

レイジス:へへへ。


 

リィ:何、気持ち悪い。


 

レイジス:いやさ、最初と比べたら随分まともに話してくれるようになったなってさ。少しは元気出た?


 

リィ:……馬鹿。     


 

アリス:おやや? 仲良くお昼ごはんですか?


 

リィ:アリス、これが仲良く見える?


 

アリス:えぇ、とっても。……私もご一緒していいですか?


 

リィ:いいわよ。


 

レイジス:なんで俺だけ渋られたの?


 

アリス:まあまあ、細かいことは気にせず、お昼ごはん食べましょうよ。


 

レイジス:細かい? え? 細かいかな?


 

リィ:しつこい。


 

レイジス:渋った本人が言うんだ? 


 

リィ:やっぱ、一緒に食べるのなし。うるさいし。一人で食ってなさいよ。


 

レイジス:えぇ……。ひどい……。わ、分かったよ。


 

    ≪間≫


 

レイジス:あ……あのさ。さっきも言ったけど俺たち隣の席だから、一緒に食べてるのとあんまり変わらないよな。


 

リィ:……。


 

レイジス:もしかして……忘れてた?


 

リィ:うっ……。


 

レイジス:なぁ、アリス。


 

アリス:えぇ、忘れてましたね。


 

リィ:う、うるさいわね! 二人とも!


 

レイジス:お、焦ってる焦ってる。


 

リィ:あぁ、もう! (SE:バンバンと叩く音)


 

レイジス:痛い痛い痛い! てかなんで俺だけ!?


 

リィ:うるさいうるさいうるさい!


 

レイジス:いたい、ちょ、ちょっと待って! タンマ! うぉおぉおおおぉお!


 

アリス:えへへ……リィちゃん、楽しそうですねぇ。何はともあれ、元気出してくれたみたいで良かったです。

 

 

 

――――――――――――――――――

【シーン3:浜辺トーク】


リィM:眠れず、落ち着かないあたしは、気分転換に散歩しに行くことにした。
    宿屋のおばさんから聞いた話、この近くには浜辺があり、結構な観光スポットだったらしい。
    「だった」というのはラインがいつ現れるかわからない世の中……つまりそういうことだ。
    浜辺に着き、波の音でも楽しもうかと思ったが……どうやら先客がいるようだ。


 

レイジス:……はぁ。


 

     ≪SE:足音(砂浜)FI≫


 

リィ:あれ、レイじゃない。どうしたの?

 


レイジス:散歩。眠れなくてさ。リィこそどうしたのさ?

 


リィ:あたしも同じようなもんよ。なんか落ち着かなくて……。

 


レイジス:色々あったもんなぁ。

 


  ≪リィ、レイジスの隣に座る(SE:布擦れ)≫

 


リィ:よいしょっと。


 

レイジス:……。


 

リィ:なんかさ、こうやってのんびり話すのって久しぶりね。


 

レイジス:旅に出てからそんな余裕なかったもんな。

 


リィ:ねぇ、レイ……。

 


レイジス:んー?

 


リィ:今更だけどさ、着いてきてくれてありがとう。


 

レイジス:え、風邪引いた?

 


リィ:空気読みなさいよ。

 


レイジス:まぁ、そもそも着いていきたいっていったのは俺だったし。
     リィが気にするもんでもないよ。

 


リィ:……そっか。

 


レイジス:あと付き合い長いじゃん? 困ってる友達を放っておけないっての。

 


リィ:付き合いが長い、か。もうそんなに経ったのね。
   なーんか懐かしい。丁度あたしが落ち込んでるときにあんたが入学してきたんだっけ。

 


レイジス:え? そうだっけ?


 

リィ:忘れてるし。……まぁ、そうなのよ。あの時のレイったら……そうね、うるさかった

 


レイジス:なんだよ、ひっでーな。

 


リィ:あはは。でも……あんたとアリスが騒いでるところを見てて、あたし、元気が出たんだよ。

 


レイジス:じゃあ俺さまさまだな。

 


リィ:ほら、すーぐ調子に乗る。この。(SE:小突く)


 

レイジス:へへっ。

 


リィ:ふふふっ。

 


     ≪間≫

 


リィ:毎日毎日、レイとアリスとあたしでお喋りして、休みの日も遊びに行ったりもして……。
   パパもママも……セイルさえもいなくって一人ぼっちになっても、ここまで頑張ってこれた。

 


レイジス:……うん。

 


リィ:まあ、当たり前のように人ん家に押しかけてくるのはどうかと思うけどね。

 


レイジス:それは、ごめん。

 


リィ:ほんとよ。……ふふっ。

 


レイジス:ラインと人間が一緒に暮らす世界で、セイルさんが戻ってきら、また押しかけに行くかな。

 


リィ:……うん。

 


レイジス:俺とアリスとゼノン、あとエストもだな。


 

リィ:うん、待ってる。……そう言えば、一つ気になってたことがあるんだけど。


 

レイジス:何だよ。

 


リィ:レイのご両親って、何してるの?

 


レイジス:あれ? 言ってなかったっけ? 俺の父さんと母さん、仕事の関係で遠い所で働いてるんだよ。

 


リィ:遠い所?

 


レイジス:うん。実は俺も分からないんだよ。ただ手紙と、お金だけが送られてくる。まあ元気みたいだからいいけどさ。


 

リィ:そっか。……寂しくない?

 


レイジス:……今までそんなこと考えたこともなかったな。

 


リィ:強いね、レイは。

 


レイジス:……あぁ、そっか。

 


リィ:どうしたのよ。

 


レイジス:俺……皆がいたから寂しくなかったんだ。


 

リィ:レイ……。

 


レイジス:へへへっ!

 


リィ:よくそんな恥ずかしいセリフ言えるわね。

 


レイジス:……お前こそ空気読めよなぁ。ここはレイジス……ッて胸をときめかせてだなぁ。

 


リィ:レイジス……ッ!


 

レイジス:なんで今言うかなぁ。台無しだよ。……ぷっ。あはははは、なんだよこれ!

 


リィ:あはははは、変なの、ばっかみたい!

 


レイジス:はははは。

 


リィ:あははは! ……ふぅ、レイ、ありがと。

 


レイジス:ん? なんか言った?

 


リィ:なーんにも。さ、そろそろ戻ろっか。

 


レイジス:そうだな。あんまり夜更かししてたら明日起きれなくなるしな。

 


     ≪レイジス、立ち上がる≫

 


リィ:そうだね。


 

レイジス:ほら、手。引き上げるぞ。

 


リィ:ん。

 


レイジス:よーいしょっと。

 


リィ:よっと。

 


レイジス:さーてと、明日も忙しいぞー。

 


リィ:しっかり働いてもらうからね。

 


レイジス:相変わらず人使い荒いなー。ま、ゼノンが暫く動けないから男の俺がヘタれてる訳にはいかないからな。

 


リィ:頑張れ、男の子。

 


レイジス:はいはい、頑張る頑張るー。……さて、着いたな。んじゃ、また明日。おやすみ、リィ。

 


リィ:うん。おやすみ、レイ。また明日ね。

 

 


――――――――――――――――――

≪シーン3 悪夢≫


  ≪場面説明:部屋に戻ったレイジスは、疲れのせいか、すぐに眠りに落ちた≫

 


レイジス:(寝息)

 


     ≪間≫
 

 

レイジス:うっ……うぅ……。(うなされる)


 

少女:いやぁああああああ!!!


 

レイジス:……な、なんだ……? 女の子……?


 

少女:嫌っ! なんで! どうして!!!
   あぁぁあああああああああ!!!


 

レイジス:……泣いている……。
     助けて……あげないと……。
     体が……動かない……。
     なんで……。


 

少女:誰か……誰か助けてッ!

 


     ≪間≫


 

レイジス:――うわぁっ! はっ……! はっ……! ゆ、夢か……。
     (深呼吸)ふー……。
     なんて嫌な夢……。でも……なんだろ。
     あの夢……俺、知ってる……?

 

 


to be continued.....

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